【芸術メディア論の射程】
「芸術メディア論」と言う概念は、明治学院大学文学部の芸術学科芸術メディア論コースで、人間の芸術・文化の領域とメディアの関係性を考える視座として編み出されました。
いわゆるメディア・アートのような「ジャンル」を指すのではなく、人間の芸術・表現活動と環境・社会などとの関係を、メディア論的に見る方法の習得をめざします。
一般にメディアといえば、いまだにテレビやインターネット、新聞etcといった産業化された伝達技術のことと考えられがちです。だから、芸術とメディアはどう繋がるの?・・・と疑問を持つ人もいらっしゃるかもしれません。
でも、「情報や意味を媒介する媒体やその働き」を総括的に「メディア」と捉えるメディア論の視座から見ると、すべての芸術・表現活動は、何等かの媒体によって表現され、媒介されていることに気づきます。
メディア技術の歴史を知ることは ー身体からAIまでー 人間の芸術や表現活動の変遷を学ぶことに繋がるのです。
【明治学院大学での担当科目】
- メディア・コミュニケーション論序説
【前期】メディア史と人間の表現活動との相互関係
【後期】メディア環境変化とデジタル・コミュニケーション - 芸術メディア論演習
実践課題を通してメディア・コミュニケーション方法を体得する
【セッション1】 10人の「私」を探せ・・・自分の多面性を「言葉」で紹介
【セッション2】 「面白いモノ」を語る・・・面白いって何?/「モノ」が持つ媒介性
【セッション3】 スマホ写真でクイズをつくろう・・・「写真」は何を写さない?
【セッション4】 音と映像のマリアージュ・・・「音」で変わる風景
【セッション5】 「パワポ芝居」で物語を紡ごう・・・「物語」の構造
【セッション6】 3分間をキャンバスに・・・「動画」の時間構成 - 芸術メディア論文献講読
メディア、芸術表現、情報認知などに関する文献をディスカッションしながら講読 - メディア実践論
各メディアの特性を考え、目的に合わせてメディアを選び活用する実践演習
【古川ゼミ・卒論テーマ】
2012年度から2024年度まで12期にわたる古川ゼミ生の卒論テーマ一覧。
それぞれの学生の個人的興味関心から生まれてきた卒論テーマは実に多様です。
でも12年間を通時的に見ると、メディアに対する若者の興味の変遷が見えてきます。
【連我番外ゼミ】
「面白そうに生きている大人に会ったことがない」・・・そんな学生さんの言葉から、「社会で活き活き仕事をしている大人に会ってほしい」と考えたのが、そもそもの始まりでした。
回を重ねるうちに、「どんな領域あろうとも、我をもって生きている人から学ぶことは、知を育てる醍醐味だ」と、私自身が改めて感じるようになりました。
その後、番外ゼミには大人の参加者も次第に増え、今日の様々なクティビティにも繋がる原点となりました。
番外ゼミ実施例
- ローソン・ベーカリー:スィーツ企画
- テレビ朝日見学
- 水上印刷工場見学
- ライプツィッヒ「日本の家」について
- 日常生活と著作権
- 奄美のメディアとコミュニティ形成
- ティー・リテラシー
- 日本酒のメディア論
- GoogleJapan(YouTube)本社見学
- コソボでのTVプロジェクト報告会
- ジャパニーズ・ホラーゲームの深淵
- 熊本地震と住民ディレクター報告
- ペッパー君の裏側:「メディア」としてのロボット
- 針の音を聴く:持ち寄りレコード鑑賞会
- 七夕茶会